about

https://sugamo-gyouza.jp/
私たちは中国遼寧省南西部の葫蘆島(ころとう)市の出身です。裕福な家庭で生まれたわけでもなく、今のように食べたいものをすぐ食べられるわけではありませんでした。だから大好物の水餃子も頻繁には食べられず、一年のうち食べられる回数は数えるほどでした。その中で、田舎のお婆ちゃんが作ってくれた水餃子が今でもこの世界で一番美味しいと思っています。

子供のころ、汽車に5〜6時間も乗って月に1回ぐらいお婆ちゃんのところに行きました。駅からお婆ちゃんの家まで歩いて結構な距離がありましたが、いつもお母さんの手を引っ張りながら、走った記憶があります。お婆ちゃんの家に近づくと「お婆ちゃん、お婆ちゃん」と大声で叫び、お婆ちゃんがベランダに出て手を振ってくれる姿は今も鮮明に覚えています。

お婆ちゃんの家に着くとまず厨房を覗きます。するとお婆ちゃんはいつもニコニコしながら、「お腹が空いたでしょう、ちょっと待ってね」を言いながら、頭を撫でてくれました。待っていると間もなく、テーブルの上に熱々の水餃子を持ってきてくれました。ぷりぷりの水餃子を地元特産の黒酢をつけて、無我夢中で食べていました。20個ぐらいを食べて、膨らんだお腹をお婆ちゃんに触ってもらって、とても満足でした。私たちの食べぶりを見て、お婆ちゃんはいつも笑顔が絶えませんでした。

大好きなお婆ちゃんが亡くなった5年後の2015年に、巣鴨で小さな中華料理店を開業しました。その時、思い出したのはお婆ちゃんの水餃子でした。子供の時から好きだったお婆ちゃんの水餃子を皆に食べてもらいたいとの思いで、お婆ちゃんのレシピを再現するために故郷に帰って、親戚や知人から聞き取り調査をしました。そして、何度も試行錯誤を繰り返し、ようやく出来上がったのがこの餃子です。
この水餃子を食べるたびに、お婆ちゃんの笑顔が浮かび、自分も笑顔になります。ぷりぷり水餃子を食べながら、皆が笑顔になってもらいたいと思ってメニューの主役にすることにしました。